completeplan

“フルアルバムに収録されていない曲だけを集めて1枚のアルバムにコンパイルする。”
このアイデア自体は2年程前からあったのですが、ミーティングで話題に上がっては何度も立ち消えになっていました。こういうアイデアが生まれたのもスプリットアルバム、コンピレーション、今では手に入らない限定盤などなど、フルアルバムには収録されていないが故に影を潜めている楽曲達を再度表舞台に送り出したいと言う気持ちがあったからだと思います。

昨年末のミーティングの時にPlaywrightの谷口ディレクターにこの企画盤のことを打診したところ「アルバムとしていまいちインパクトに欠ける」との事で企画倒れになりそうだったのですが、そんな矢先でした。谷口ディレクターのところに「タワーレコード限定でfox capture planのアルバムをリリースしませんか?」との連絡が来たのです。選択肢的には、冒頭で言ったようなコレクションアルバム。もう一案は今までMVになったようなリード曲を集めたベストアルバム。後者は店舗限定でやる内容ではないと判断したので、すぐさまに前者のタワーレコード限定のコレクションアルバムのリリースが決定しました。

当アルバムのタイトルですが、イメージ的にoasisのシングルB面だけでコンパイルされた名盤「The Masterplan」(1998年)があったので、敢えて似せた「completeplan」と言うタイトルにしました。(我々のバンド名に“plan”って元々入っているのもあったので。)この「completeplan」も「The Masterplan」のような色褪せない名盤になればと思っています。いや、なると思います!それでは、そんな「completeplan」の収録曲を1曲ずつ御紹介したいと思います。

​- 楽曲解説 -

1.Butterfly Effect (Trio Ver.)

オリジナル演奏は2015年にリリースした4thアルバム「BUTTERFLY」のリード曲。YouTubeの再生回数も100万回を突破したfox capture planの代表曲の一つです。ファンの方々はストリングスカルテットを含めたヴァージョンがお馴染みだと思いますが、ライブではピアノトリオ(メンバー3人のみ)で演奏することが多いので、今回収録するに至りました。勿論ただ単に「BUTTERFLY」収録のヴァージョンからストリングスの音を抜いただけではなく、今回用に再録音しました。何度もライブで演奏して馴れた曲だからこその演奏のグルーヴ感は今だから出来る事だと思いますし、ラストのピアノソロにいく展開もライブを数重ねていく事で出来上がったアレンジです。

2.Acceleration

2017年にリリースしたレーベルメイトbohemianvoodooとのスプリットEP「Color&Monochrome 2」に収録されています。リフレインする硬質なメロディーが特徴の楽曲。「衝動の粒子」、「RISING」などと近いテンポ感で、このミディアムファーストのテンポはfox capture planが最も得意とするテンポであり、この「Acceleration」もライブで演奏する頻度が非常に高い曲です。ミュージックビデオ(制作:仁宮裕)も曲のリズムに合わせて展開していく凄く格好良い仕上がりになっています。

3.S.O.S

2018年のフジテレビ系月9ドラマ「コンフィデンスマンJP」の劇中曲で同作のサントラにも収録されていますが、今回用に再録音しました。劇中曲作りが佳境に入った頃、アクション曲がホーンやギターがメインの楽曲ばかりになって来たので、ピアノトリオとストリングスのfox capture planサウンドで「コンフィデンスマンJP」の世界観に落とし込んだ曲を作ってしまえというテーマで生まれた楽曲です。劇中でも多く使われ、中でも5話(スーパードクター編)での盛り上がりを煽る感じが印象的でした。ライブでの演奏を経て構成も変更したので、サントラのヴァージョン以上によりアグレッシブな仕上がりになったと思います。タイトルの由来ですが、劇伴のメニュー表に「緊急事態発生」という項目が書いてあったのですがデモ音源のファイル名を極力短くする為に簡易的に“SOS”としてたのをそのまま採用しました。

4.Passion Dance

2014年のPlaywrightレーベルのコンピレーションアルバム「Family」に収録されているジャズピアニスト、マッコイ・タイナーのカバーです。きっかけは、同じ2014年に初めてブルーノート東京に出演した時のイベント「BLUE NOTE plays BLUE NOTE」で、出演者はブルーノートレーベルの楽曲をカバーするという決まりがあったので、元々好きだったこの「Passion Dance」をセレクトしました。マッコイ・タイナーからはピアノだけでなくソングライターとしても大きく影響を受けていて、僕のやっている別バンドJABBERLOOPでもマッコイ・タイナーの「Fly with the wind」をカバーしています。

5. Yellow Counter

2016年にリリースしたKeishi TanakaとのスプリットEP「透明色のクルージング(Playwright盤)」に収録されています。fox capture planとしては珍しく3人でスタジオでセッションしながら作った曲です。これまでにあまりなかったスローテンポの楽曲でセットリストの中で良いアクセントになり、ライブで演奏する頻度も高いです。タイトルには、10年代のヒッピホップ/ネオソウルを経由したジャズに対する日本からのカウンターという意味が込められています。

6. Wait And Bleed

今作の為にレコーディングした新録です。1999年のSlipknotの1stアルバムからのカバー。Slipknotと言えばスラッシュ・メタルを経由したオルタナティヴ・ヘヴィロックと言ったイメージが強いと思いますが、中には激しさの中に哀愁を帯びたメロディーの楽曲もあり、この「Wait And Bleed」はその最たる例です。Arctic Monkeysの「Brianstorm」をカバーしたのが意外にハマってライブでもよくやるので、ロックのアグレッシブな要素があって尚且つピアノでメロディーを弾いて映えそうな楽曲を選びました。

7. In the darkness(Full Arrange Ver.)

2015年にリリースした会場限定アルバム「darkness」(現在廃盤につき入手不可)に収録されていました。同年にリリースした4thアルバム「Butterfly」に収録されているヴァージョンと基本的には同じ音源ですが、全編にストリングスカルテットを加えた豪華なアレンジになっていて、より聴き応えがあります。我々が初めて劇伴を手掛けたTBS系ドラマ「ヤメゴク〜ヤクザやめていただきます〜」のメインテーマとして書き下ろした楽曲です。

8. First Impression

2018年リリースのPlaywrightレーベルのコンピレーションアルバム「Family Vol.2」の為に書き下ろした楽曲です。結成初期の代表曲「capture the Intial “F”」「衝動の粒子」などをイメージして作ったので、このタイトルにしました。クラブジャズブームの流れで登場したブロークンビーツのリズムに変拍子を織り交ぜた楽曲です。

9. Logical Gorilla (Re:Recording Ver.)

2012年リリースの「Sampleboard」、2016年のjizueとのスプリットアルバム「Match up」(共に現在廃盤につき入手不可)に収録されていました。ピアノのゴリゴリした低音を押し出した初期の楽曲です。このヴァージョンは2013年の2ndアルバム「BRIDGE」のタワーレコード限定の初回特典用に収録されたスタジオライブヴァージョン。荒々しさの中にある勢いに初期衝動を感じるので、このヴァージョンを収録しました。

​10.Primitive Mechanics

9曲目の「Logical Gorilla」と同じく、2012年リリースの「Sampleboard」、2016年のjizueとのスプリットアルバム「Match up」(共に現在廃盤につき入手不可)に収録されていました。ミドルテンポながらポリリズムに乗せて速く展開して行くコード進行と16分音符を敷き詰めたメロディーが特徴の楽曲です。⑨⑩の2曲は過去2回リリースされているので収録しないつもりだったのですが、現在2曲とも入手する方法がないので収録することにしました。

11. other side

2013年にリリースしたレーベルメイトbohemianvoodooとのスプリットEP「Color&Monochrome」に収録されています。結成初期の楽曲は変拍子、ドラムンベース、ダブステップ、ポストロックなどジャズピアノトリオがあまりやらないギミックを取り入れた楽曲っていうコンセプトがあったのですが、そのコンセプトをあまり気にせずメロディーに重点を置いて作ったシンプルなリズムの楽曲です。それまでの作風と違うテイストで作った曲なので「other side」というタイトルにしました。ライブではアンコールで演奏する事が多いです。

12. Goin' Home

2018年にレコーディングしました。クラシックファンにはお馴染みドヴォルザークの「新世界」の中の一節です。邦題は「家路」。日本では“閉店のあの曲”っていうイメージも強いですね。Playwrightを運営するディスクユニオンの各レコード店の閉店BGM用にfox cpture planで「家路」をレコーディングしてほしい。という、谷口ディレクター経由のオファーがきっかけでした。何かのレコーディングの時に余った時間を利用して瞬時に録ったのですが、ヴォイシング(和音の付け方)でオリジナリティーを表現してみました。元々は閉店BGM用に録っただけなのでリリースする予定はなかったのですが、なかなか気に入ってるので収録する事にしました。「completeplan」のラストを締めくくるのに相応しい音源になったと思います。

以上が「completeplan」の12曲になります。

“フルアルバムに収録されていない曲”というテーマだと「Hollow Abyss(Color&Monochrome)」「Turning Point(Color&Monochrome 2)」「Silent Fourth(透明色のクルージング・Playwright盤)」辺りも本当は入れたかったのですが、他作品との兼ね合いもあって収録できませんでした。いずれも個性溢れる楽曲達なので、この企画の第2弾では収録しようと思います(第2弾があれば)。最後に、タワーレコード限定の企画アルバムではありますが、今まで出してきたオリジナルフルアルバムと何ら遜色のない内容、完成度になったと思っています。冒頭で触れたoasisのB面集アルバムにしての名盤「The Masterplan」のような、時代を超えても人々に聴き続けられる様なアルバムになればと思っています。

 

2019年5月

 

fox capture plan 岸本亮

- 楽曲クレジット -

01.Butterfly Effect (Trio Ver.)

Composed by Hidehiro Kawai

Engineered & Mixed by Sho Uehara

2019.03.21 at Pastoral Sound

 

02.Acceleration 「Color&Monochrome 2」収録

Composed by Hidehiro Kawai
Engineered & Mixed by Sho Uehara

2016.08.24-25 at Volta Studio

 

03.S.O.S

Composed by fox capture plan

Violin:雨宮麻美子, 須原杏

Viola:角谷奈緒子

Cello:松尾佳奈

Engineered & Mixed by Sho Uehara

2018.05.29-31 at Tago Studio Takasaki, Aobadai Studio

 

04.Passion Dance 「Family」収録

Composed by McCoy Tyner

Original Artist: McCoy Tyner

Engineered by Eiji Hirano

Mixed by Sho Uehara

2014.06.18 at Studio Happiness

 

05.Yellow Counter 「透明色のクルージング」収録

Composed by fox capture plan

Engineered by Eiji Hirano

Mixed by Sho Uehara

2016.02.15-17 at Studio Happiness

 

06.Wait And Bleed

Composed by Michael Shawn Crahan, Christopher Michael Fehn, Paul Dedrick Gray, Craig Michael Jones, Corey Taylor, Mickael Gordon Thomson, Sidney George Wilson,Jr

Original Artist:Slipknot

Engineered & Mixed by Sho Uehara

2019.03.21 at Pastoral Sound

 

07.In the darkness (Full Arrange Ver.) 「darkness」収録

Composed by fox capture plan

Violin:雨宮麻未子, 須原杏

Viola:角谷奈緒子

Cello:松尾佳奈

Engineered by Eiji Hirano, Sho Uehara

Mixed by Sho Uehara

2015 at Sutudio Happines, Studio Green Bird

 08.First Impression 「Family Vol.2」収録

Composed by Ryo Kishimoto

Engineered & Mixed by Sho Uehara

2017.09.05 at Kamekichi Ongakudou

 

09.Logical Gorilla (Re:Recording Ver.) 「BRIDGE」初回特典収録

Composed by Ryo Kishimoto

Engineered & Mixed by Sho Uehara

2013 at Studio Dede

 

10. Primitive Mechanics 「Sampleboard・Match up」収録

Composed by Ryo Kishimoto

Engineered by Eiji Hirano

Mixed by Ryo Kishimoto, Hidehiro Kawai

2012.07.19-20 at Studio Hapiness

 

 

11.Other Side 「Color&Monochrome」収録

Composed by Ryo Kishimoto

Engineered by Eiji Hirano

Mixed by Sho Uehara

2013.02.14-16 at Studio Hapiness

 

12.Goin' Home

Composed by Antonin Dvorak

Engineered & Mixed by Sho Uehara

2018.07.07 at Aobadai Studio

【fox capture plan】

Piano:Ryo Kishimoto

Double Bass:Hidehiro Kawai

Drums:Tsukasa Inoue

 

Director:Keisuke Taniguchi, Maiko Nakamura

Artist Management:Takahiro Yamaguchi

Art & Design:Yu Suda

Special Thanks:TOWER RECORDS

(P)&(C) 2019 Playwright.Distributed by diskunion